迫る米大統領選 争点は

 アメリカ大統領選挙が2020年11月3日に行われる。共和党からは現職のトランプ氏、民主党からはバイデン氏が出馬する。アメリカ現代政治が専門の本学総合グローバル学部総合グローバル学科の前嶋和弘教授のゼミに所属する、王開城さん(経済4)と内藤誠さん(総グ4)に争点や動向を聞いた。

 アメリカの大統領選挙は最多票を得た陣営が州の選挙人を全て獲得する「勝者総取り方式」のため、州ごとに割り当てられた選挙人の数で勝敗が決まる。選挙の度に勝利政党が変わる「激戦州」が重要になる。「2016年の大統領選では激戦州である五大湖周辺で主要産業が衰退し、トランプ氏が多くの支持を集めた。既存の政治に行き詰まりを感じた層からの反発がトランプ氏への期待につながったが、コロナ禍で支持が下がっている」と内藤さんは説明した。

 共和党の支持基盤は主に宗教保守や白人労働者、自由な競争を求める富裕層。民主党の支持基盤は主に都市部に住む若年層の移民や性的少数者といったマイノリティーだ。王さんは投票の決め手として、経済政策とイデオロギーを挙げた。競争条件を等しくし個人の行動に起因する所得格差は是認する「機会の平等」と、所得再分配を強化する「結果の平等」を重視するかで意見が分かれる。「経済政策を優先して考えるかイデオロギーを優先して考えるかは個人によって違う」と大統領選の複雑さを語った。

 2人とも今回の大統領選ではバイデン氏が当選すると予想する。「バイデン氏はほぼすべての州で優勢。トランプ氏によるコロナ禍での経済策や感染拡大防止策に幻滅した人は一定数いる。バイデン氏の圧勝もありえる」と王さんは予想。内藤さんは「16年にトランプ氏が選ばれたのは今までの政治を打破する期待から。今のトランプ氏には期待できるものがない。一方でバイデン氏が力を入れている再生可能エネルギーには市場も反応している」と分析した。

 今年の投票は郵便投票が主流になる見通しだ。郵便投票にトランプ氏は反対、バイデン氏は賛成。選挙終了後も結果を不服として法廷闘争する可能性がある。

(安達理沙)

内藤誠さん
内藤誠さん
王開城さん
王開城さん