経済学科・釜賀教授に准教授に聞くノーベル経済学賞

 2020年のノーベル経済学賞にアメリカのスタンフォード大学のポール・ミルグロム氏とロバート・ウィルソン氏が選出されたことについて、本学経済学部経済学科の釜賀浩平准教授に話を聞いた。釜賀准教授は「『取るべき人が取った』という印象。一方で近年の選出は研究テーマが徐々に限定的になっている。より研究テーマを絞った今回の選出は意外でもあった」と語る。経済学の一分野であるメカニズムデザインの実用化を目指すのがマーケットデザインだが、その中でマッチングとオークションが成功を収めており、マッチングではロス氏とシャープレー氏が2012年にノーベル経済学賞を受賞している。

 また「ミルグロムとウィルソンの受賞理由はゲーム理論を用いてオークション理論の実用化に貢献したことだと公表されている。純粋理論より現実の社会問題の解決策としての機能を重視する傾向を象徴している」とする。

 2人が評価された点は、同時にいくつもの商品を売りに出し、各入札者は参入する競り合いの数を増やせないが取り下げることはできる「同時競り上げ式」を用いて、入札者ごとに異なる価値を持つ財をオークションにかける方式を開発した功績だ。

 釜賀准教授は今回の選考が日本に与える影響について「政府は周波数オークションの導入を検討しつつも、依然として導入に踏み切ってはいないが、今回の受賞は政府が前向きに検討する追い風になり得るかもしれない。日本ではオークションというとフリーマーケットのようなサービスの印象が強いが、選出を機に世間でもオークション理論が認知され始めるかもしれない」と自身の見通しを述べた。

(津田将貴)