上智の立ち入り禁止!~市ヶ谷キャンパスに潜入~

今回は上智生でも訪れる機会の少ない市谷キャンパスにある数学図書室に潜入しました!


市ヶ谷駅から徒歩5分、落ち着いた街並みの中に上智大学市谷キャンパスは位置します。キャンパスとはいえ建物は2つ。上智らしいこぢんまりとしたキャンパスです。数学図書室があるのは1950年代に建てられたという市谷本館2階。


普段は紫外線が本を傷めるため閉めているカーテンを開けるとステンドグラスがあり、とても味のある雰囲気を醸し出しています。

 

数学図書室司書奥田正子さんによると、数学図書室には数学にまつわる本が約3万5000冊所蔵されているそうです。これらの本は学生からリクエストされたもの、授業で使うもの、などを踏まえて情報理工学科数学領域の教職員が選び管理しています。蔵書には歴代の数学専攻の修了生が書いた博士論文・修士論文も含まれます。和書だけでも一万弱の冊数がありますが、洋書は三万冊近く。英語、フランス語、ロシア語など様々な言語で書かれています。古いものでは1800年代の本もあり、高いもので数万円の値がつき非常に高価です。これほどの膨大な蔵書を保管する場所は限られているため、最近は冊子の購入を縮小し、シリーズ物を中心に電子ブックの購入を進めています。電子ブックはVPN接続を利用して学外からも閲覧可能です。11月に中央図書館のOPACからも検索可能になりました。ちなみに冊子で良く利用される本は「Lecture Note in Mathematics (Springer)」という最新の研究結果をわかりやすく解説したシリーズものの洋書や、ゼミで紹介されるという『代数入門―群と加群―』『多変数複素解析学入門』などだそうです。

 

単行書以外にも学術雑誌の所蔵があり雑誌コーナーに60種類の新着雑誌、閉架の地下書庫に150種類1万8千冊のバックナンバーが所蔵されています。

これらの中央図書館にはない専門的な本は、主に情報理工学科の数学を専門に研究しているゼミ生、院生に利用されています。情報理工学科の学生は中央図書館で借りるよりも長期間、学期末までこれらの本を借りることができます。もちろん他学科生も貸出期間は中央図書館と同じ2週間ですが数学図書室の利用は可能です。

 

数学領域主任・都築正男教授、横沼健雄氏、森本光生氏、内山康一氏の元数学学科長らの話によると、数学図書室は1965年、当時の理工学部数学科の誕生と共に設立されました。数学科設立に大きく貢献し、後に本学第6代学長となる守屋美賀雄氏をはじめ、南雲道夫氏、寺坂英孝氏が「数学の研究・教育の中心は図書室である」とし、数学図書室を誕生させました。豊富な蔵書がある中央図書館とは別に数学図書室を設立させた背景には、数学にとって本は必要不可欠な実験道具であり、その本を研究者・学生たちが直ぐ手に取れるよう、研究室近くにどうしても図書室が必要だったことがあります。学生が多くの研究文献に触れられる環境をつくるために学術雑誌・研究論文集の収集にも力を注ぎ、数学科の教員が収集した資料は個人研究室ではなく図書室に集め共有してきました。数学の世界において、一度証明された事象は新しい論理が発見されない限り覆されないため、たとえ100年前の研究結果でも価値は失われません。そのため研究者たちは自らの研究成果を書物に記し、後世に残します。そして後に続く研究者たちは先人たちが残した数々の文献を参考にして数学の研究を行っていくのです。

現在四谷キャンパスでは、3・4・8・9号館が改修工事中ですが、着工以前は4号館の5階が数学図書室の本拠地でした。つまり今市谷キャンパスにある数学図書室は仮の場所。2019年度中には四谷キャンパスに戻る予定です!
数学図書室は現在大改革中!皆さんぜひお立ち寄りください〜

2018年12月2日