変わる社会の姿を学ぶ 「ぼくらのカフェ×U-talk Online『変化する日本の人口と科学ー社会学入門その一歩手前』」レポート

 オンラインイベント「ぼくらのカフェ×U-talk Online『変化する日本の人口と科学ー社会学入門その一歩手前』」が9月23日夜に開催され、本学総合人間科学部社会学科の藤村正之教授がゲストとして登壇した。

 藤村教授は、社会学は、合理的な人間像を中心とする経済学や自己の内部への視点を中心とする心理学と異なり、合理性と非合理性をあわせもち、自己の外部からの影響を受ける人間の意識と行動について、多面的な角度から捉える学問だと定義した。そして、日々変化する社会を観察する現代性、その視点の総合性、それまでの知識の相対化に、社会学の特徴があると語った。

 次に藤村教授は、講演のテーマでもある変化しつつある人口と家族に関して社会学的な観点から説明を進めた。世界人口の変動、人口ピラミッドの推移、少子化・高齢化による人口構造の変化は、常に社会を観察し知識を刷新しなければ理解できない問題となってきている。日本においても産業化の進展により世帯や家族の形が大きく変容してきている。近年では核家族というより、若者・高齢者の単独世帯数が増加している。また、制度による拘束性の強い従来の家族像から、夫婦・親子の関係の良好さという感情的な要因が重視される友愛家族へと家族の性格も変化してきている。さらに、未婚率の上昇により、親と同居する未婚者である「パラサイトシングル」も一般的となり、一度離れた後に親元に戻る「ブーメランキッズ」の存在も出てくるなど、成長しても子どもの影響力が家族内で大きい生活へと変容してきている。そこには、結婚の意味の揺らぎ、離婚・再婚も珍しくない社会状況などが反映している。

 藤村教授は講演のまとめとして、社会学を学ぶ上で重要となる多様な視点を身につけるために、「なぜ」「どうやって」といった問いを立ててみることが重要で、その解明のためには時代や属性、地域などによる比較をしながら、根拠を問直し自省的に探ることが重要だと述べた。

(津田将貴)